妊娠・出産・育児に関わっていろいろな手続きがありますが、今回はその中でも申請して支給されるお金に関連した話を。

ちょっとしたことで支給されないことがあるので注意!が必要。

妊娠前から気をつけておいた方が良いこともあるのでご確認ください。


給付金支給要件の注意点

いずれもざっくりとした説明なので、各健康保険やハローワークのホームページをきちんと確認してくださいね。

出産育児一時金

死産を含めて基本的に全員もらえる。(健康保険に加入していれば)

自分の保険証の発行先から支給されると考えていればOK。

出産を機に退職し、被保険者でなくなった場合は以下のどちらかから支給される。

  • 被保険者期間が1年以上あり、退職から6ヶ月以内に出産した場合は退職前に加入していた健康保険から(要件は各保険団体に確認を)
  • 退職後に家族の扶養になった場合は、その家族が加入する健康保険から
二重には支給されないのでご注意を。基本的にはどこでも一緒だと思います。

参照:協会けんぽ 出産育児一時金について

出産手当金

産前産後休業で給料が支払われなかった分に対する給付。なので出産前に働いていた人が前提。

給付要件

  • 会社、企業の健康保険に加入していること。
  • もしくは退職前まで連続して1年以上被保険者であること。

金額は、それまでの給料月額平均の2/3が基本。

出産を機に退職する場合、それまでに連続した1年以上の被保険者期間があって、産休中に退職した場合に給付されるようです。

参照:協会けんぽ 出産手当金について

育児休業給付金

育児休業で給料が支払われなかった分に対する給付。これも雇用されていることが前提。そしてその後職場に復帰することも前提。

給付要件

  • 育休開始前2年間に12ヶ月以上雇用保険の被保険者であった
  • 子が1歳6ヶ月までの間に労働契約が更新されない(有期雇用の場合)
  • 育休中に就労や給与の支払いがない(一部例外あり)

以前あった「育休までに1年以上雇用されている(有期雇用の場合)」という条件は令和4年4月に撤廃されたようです。

産休・育休中の給与については企業によって異なるので事務に確認を。

注意点

さて、ここからが本題です。就活中の学生や医師など転職の多い人向けの話題。

初期研修や後期研修、その後も医局人事だったり自分のスキルアップのためだったり、何かと職場の変わることが多い医師ですが。

医師の異動は“転勤”ではなく“転職”扱い(その都度退職、入職を繰り返す)になります。

その時に関わってくるのが「産育休までの雇用期間」。

育児休業給付金の申請には、雇用保険の被保険者の期間が12ヶ月以上必要なので、新卒1年目の育休には支払われません。

就職、転職、研修の際には、賃金等だけでなく、健康保険・年金・雇用保険の扱い、産育休を含めた休業の扱いについても事前に確認しておきましょう。

医局に属する医師であれば、給付金が受け取れないとダイレクトに収入に響くので教授や医局長など人事権のある(かつしばらく医局内で発言力のありそうな)人とあらかじめ相談しておくのがbetterです。

子供は授かり物だからいつでも歓迎されるべきだけど、家族計画はQOLにつながるからできる準備は事前にしておこうなって誰かが言ってた!

(Twitterで見た気がするけど見失ってしまった……)


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