文献整理編と何が違うのか、と言われそうですが。


突然ですが、皆さんは論文をどうやって読んでいますか?

そして、その読んだ論文をどう保管していますか?

読んで終わり、な論文なら良いですが、研究や学会発表、日常診療で使うために調べた論文は後で見返したいですよね。

そして、その論文がどんな論文だったかぱっと知りたいですよね。

いくつかの方法とそのメリットデメリットをご紹介します。


文献のまとめ方

基本的にPDFで管理することになると思うので、その前提で話を進めています。
紙しかない文献はそのまま紙で持つか、スキャン等でPDF化しましょう。

PDFのファイル名を、発行年、筆頭著者名、巻号頁、雑誌名などに変えておくと探すのが簡単です。 

また、「あとで見返す」とは、「あの臨床試験とかの結果、どこに載ってたかな」「こんな背景があったのか」など研究の背景、既報にあたる部分を参照することと、「こんなときどう言ったら良いかな」「言い回しがくどいな」など英文表現を修正することの2通りがあると思います。
なので、開いてすぐに「どんな論文だったか」が書いてあったり、論文のキモになる結果や、言い回しの参考になりそうな部分が分かりやすくなっていると良いです。


Adobe Acrobat Reader

皆さんご存じのPDF閲覧ソフト。

ページの編集などはPro(有料ソフト)が必要ですが、メモやテキストの追加、罫線を引く程度であれば無料版でも可能です。

最初のページの余白に、メモもしくはテキストボックスの追加で概略を書き込み、本文中にはラインをひくと見返しやすくなりますね。

この時、論文的に重要なポイントと、言い回しの参考になりそうな部分で色を変えておく(さらにその色を他の論文と共通にする)と探しやすいと思います。

ちなみに、手書きでの追加もできるので、やりやすい方で良いと思います。

個人的にはタイピングの方がきれいにそれなりの量を書き込めるのでそちらを選びがちです。

Acrobatでの書き込みはもちろん他のソフトでも閲覧可能なので、汎用性は高いです。

ただ、Adobeなので好き嫌いはあるかもしれない……


Microsoft Edge

Windowsの新しいウェブブラウザですが、PDFを開けます。

更に、テキストにラインを引いたり、手書きで追加することも可能!

メモ、付箋を追加することはできますがテキストボックスを追加することはできないので注意。

個人的には、PDFをそのまま表示できてマーカーも使えるので、Power Pointの代わりにプレゼンするときに使ったりしています。

PDFなのでそのまま拡大縮小できるのが地味に便利なんですよね。

抄読会とかに良いかも。


Mendeley(デスクトップ版)

論文書くならどうせ文献整理ソフトを使うので、最初からMendeleyで読むのもアリだと思います。

文献整理ソフトの良いところは、PDFからタイトル、雑誌、著者名など勝手に読み取ってくれるところですね。

文献の検索も簡単。

PDFファイルを開いて、ラインを引いたりメモを追加することもできて、色も何種類か選べるので最低限のことはできそう。

PDFに直接文字を入れることはできないのと、日本語に対応していないので日本語の文献には弱かったり(読み取れない)メモも英語のみなのが難点。

英語力が試されている……


アナログ

画面で見るとね、目が滑っちゃってダメなんですよ。

そんなわけで私は結局アナログ派です。

一応省資源を考えて、1枚に2ページ、両面印刷(短辺をとじる)にしていますが。

それでも、印刷したものを全て取っておくのは場所の確保も大変。

ということで、見返す頻度が底まで高くない論文は、最初のページだけ取っておき、あとは処分してしまいます。最初のページの余白か大きめの付箋を貼ってメモや重要なことを書き込んでおいて、必要なときはPDFそのものを見返すようにしています。

紙で印刷した場合の良いところは、テーブルの上に広げて一覧で見られることですね。

論文の執筆中なんかも、パソコン画面はアウトプットするところ、机の上はインプットするところ(格好いい言い回しを拝借したりするので)、と空間が分かれるので個人的には集中しやすいです。



いかがでしたか。

皆さんにぴったりの文献管理が見つかりますように。

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