治療経過を表すグラフを作る
学会発表の手助けシリーズ!
第1弾は「治療経過を示すグラフを作ろう」です。
折れ線グラフと棒グラフを組み合わせて、こんな感じのグラフを作ってみたいと思います。
いつものごとく、ExcelとPowerPointを使って作っていきます。
折れ線グラフに棒グラフを組み合わせたグラフを作る
今回のグラフでは、血液検査結果にカテコラミンや抗菌薬、輸血、さらに手術などのイベントを同時に示しています。
推移を表すには折れ線グラフですが、それだけだと線ばかりで分かりづらくなってしまいます。
なので、量が重要なカテコラミンは棒グラフで、その他は記号等で表すことにしました。
ちなみに、先ほど「折れ線グラフ」と言いましたが、実際には「散布図」で作図をします。なぜなら日付も数量データだからです。折れ線グラフにすると、例えば数日間採血をしていなかった場合に、その数日間が上手く表示されなくなってしまいます。
グラフの元になるデータを作る
まずはExcelを立ち上げます。
時系列に沿って、検査結果や使った薬の投与量を入れていきます。
この時、日付を軸に入力していきます。
その場合は、「日付+半角スペース+時刻(24時間表記)」で入力すると、きれいに間に入ります。
これが散布図の良いところですね。
時刻のない日付は、0時の扱いになっています。
グラフを作る
入力が終わったら、値をまとめて選択して 挿入>おすすめグラフ をクリック。
全てのグラフ から 組み合わせグラフを選択。
最下段の「組み合わせ」で、薬剤を「集合縦棒」、検査結果を「散布図」にします。
この時、散布図の方を第2軸にするのが良いです。
縦棒を第2軸にするとなぜかめっちゃずれます。私には直せなかった……
今回は、カテコラミンの値にHb、CRPが近いので、WBCを第2軸に設定しました。
軸の追加などは、後から「グラフの種類の変更」で直すこともできます。
下の軸(第1横軸)を選択し、最小値を1日前にします。更に、軸位置を「目盛」に合わせることで、日付の真上に縦棒と散布図のプロットが揃えられます。
今回、表を作成するときに日付を全部入れてから検査結果のデータを入れましたが、検査をした日のみで表を作ることもできます。(散布図なので)
そうした場合には問題が無いのですが、表の中に空白があるとプロット同士がうまく繋がりません。
これを繋げるには、 データの選択>非表示および空白のセル>空白セルの表示方法 を データ要素を線で結ぶ にします。
このままPowerPointに移っても良いのですが、カテコラミンは途切れなく投与しているので、そのイメージを示すために棒グラフのスキマを無くします。
縦棒をクリック、またはカテコラミンの書式設定>系列のオプション>要素の間隔 を 0%にするとスキマが無くなります。
要素の間隔は数値が大きいほど間が空きます。
ここまで、今回はExcelでやっていますが、グラフが作れてしまえばその先はPower Pointでやることもできます。
グラフの見た目を修正する
Excelで作ったグラフをPowerPointにコピペ。
まずは文字サイズを変更、16pt以上にしましょう。
また、デフォルトではグラフ等の文字はグレーになっています。はっきりさせたいなら黒に変更しましょう。
軸はそのままでも良いですが、補助軸が第2縦軸とずれたりしてわかりにくいので、私は補助軸を消してしまうことが多いです。
その時に軸を黒線にして、目盛を付けておきます。
単位の変更も「軸のオプション」からできます。
また、今回のように軸が複数ある場合には、凡例は別で作る方が自由度が高いので楽になります。
色を示すだけなら、「しかく」を変換して■にして、フォントそのものの色を変えて表現しています。
また、今回、軸の交点を1日前にしているので、本来データの無い「11月2日」がグラフに表示されています。
これがあると混乱する原因になるので、見た目の上で消していきます。
(これをするには白背景が楽ですが、単色背景なら他の色でもできます)
その他、抗菌薬などの薬剤や手術、透析などのイベントを四角や矢印などの記号で表して追加していきます。
こんな感じになりました。
上の図はPowerPointのスクショですが、実際にスライドショーではこんな感じに見えます。
1つの図で複数の情報が得られると便利ですが、ごちゃごちゃしてしまうとかえって混乱します。
似ている系列のデータは表現方法や色を揃える、場合によっては掲載するデータを取捨選択することでぱっと見て分かりやすい図になります。
他の人に意見を聞いてみるのも良いと思います。
まずは慣れろ、なので、色々なグラフを作ってみてくださいね。
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