先日、長らく格闘していた論文をなんとか書き上げました。

その時の経験を元に、論文作成のコツというか、小技などを紹介していきます。

ほとんど備忘録的な扱いです。皆さんの論文作成へのハードルが少しでも下がるように……


文献整理とは

論文を書いていると、引用文献、参考文献が出てきますね。

短い論文だったり、文献の数が10編くらいであれば適当な記号やアルファベットを付けてあとで順番を直したり、文献の記載も手打ちでポチポチしても問題ないと思いますが、原著論文などで20編を超えてくると結構大変です。

この時に、いかに間違いと手間を減らすか、というのが今回のメインです。

文献の選び方

ちょっと話がずれますが、参考文献の選び方も。
大きく2つあると思います。

①Pubmedでキーワードを検索する

自分が書いている論文のキーワードや、論じていることの過去の報告を調べる時にはやっぱりPubmedですね。
Refferenceは新しい文献の方が良いという考え方もあるので、最新の知見を得るにはぴったりです。
ただ、玉石混交な感はあるので頑張って自分で読んで取捨選択が必要です。
後述する文献整理ソフトとの連携もできるので、Pubmedは使いこなせると良いです。

②書きたい論文に近い論文のRefferenceを参考にする

論文の書き方にも繋がりますが、自分が目標にしたい論文があると論文を書くのがとても簡単になります。
文献も、他の論文にでてくる論文を参考にすると、ある程度内容のある論文が拾えるので良いです。
完コピはあくまでもしないように……

文献整理ソフトの出番

私は普段、論文を書くために集めた文献には適当にアルファベットを順番に付けて、本文を書きながら引用したところで(A)とか(C, E)とかで入れています。
大抵の論文はRefferenceは本文中に出てきた順番で1,2,……と記載するので、全部書き終わってからアルファベットを数字に直しています。
(この辺は論文の投稿先にもよるので、書き始める前にチェックしておきましょう。)
比較的力わざ感が強いので、あまりおすすめはできませんが……
取りかかりやすさはあります。ので文献の数が少ないうちは良いと思います。
ちなみに、最後に数字に直す関係で、絶対こんがらがるので文献に最初から数字を振るのは止めた方が良いと思います。

そうはいっても。
世の中には便利な文献ソフトもあるので紹介していきます。
文献ソフトが一番活躍するのは論文のRefferenceを書くときだと思っています。
全てタイトルやら著者名やら一つずつ打つのは大変ですよね。
しかも著者の人数や名前、雑誌タイトルや巻号の書き方など微妙に違う……
こんな時、文献ソフトなら全てまとめて同じスタイルで書き出してくれるので便利です。
私が使っている物が中心なのでフリーなものから紹介しています。

Mendeley

公式サイト:Mendeley
基本的にはアカウント作成で無料で使えるサービス。
ソフトでもブラウザでも文献が管理できる。集めた文献はグループ分け(フォルダ式)が可能なので複数の文献について同時に集められる。
ログインすれば様々な環境から文献整理ができるので便利。

①デスクトップ版への入れ方

 Pubmedから挿入の場合:検索結果画面で選択>send toでCitation managerで出力>Mendeleyにinport
 PDFファイルがある場合:PDFファイルをそのままドラッグまたはフォルダごと追加が可能

②ブラウザ版への入れ方

Mendeleyのサイトにアクセスするとデスクトップ版と同じようなものがブラウザ上で使える。
でもブラウザ版の本領はおそらくブラウザへのプラグインを使うこと。
Mendeley Citeというものと、Web Importerがあるらしいが、おそらくWeb Importerが楽。
いつも使っているブラウザからここにアクセスすると、そのブラウザ対応のプラグインが出てくるのでダウンロード、インストール。
Pubmedで調べているときに、そのまま文献をぽいぽい入れることができるのでとりあえずの収集には便利。


文献そのものはどちらからでも入力可能ですが、PDFの閲覧はデスクトップ版にファイルを入れた時のみ可能になる。(ただし、ファイル名やファイルの場所が変わるとリンクが切れるので再設定が必要。)
ブラウザ版から入れるとPubmed IDや文献のurlが入る。のでうまく使い分けが必要な印象。
個人的には、あらかじめ文献を入れるフォルダを作っておき、ダウンロードできる文献はそこにぽんぽんストックし、PDFファイルを直接Mendeleyにドラッグ。ダウンロードできない物はPubmedからブラウザ版へ入力。という風にしています。

③出力の仕方

View>Citation Styleで投稿先を、もしくはそれと同じ書式の投稿先を選ぶ
適当な形式が無ければMore styles...>Get more stylesで追加可能
出力したい文献を選んでコピー→Wordに貼り付け で書式を揃えて記載される。

ただし、このままだと順番はバラバラ(年代順だったり著者名順だったり、表示されている順番)なので自力で直す必要があります。
ので、私は別のWordファイルにRefferenceだけ作って正しい順番で本体のWordファイルに入れていく方法をとっています。

Word

本文をWordで書く人も多いと思いますが、Wordにも文献機能が付いています。
若干動作が重いのと、使いこなすのがちょっと大変ですが、使い方によっては便利です。

Wordの文献機能:引用文献と文献目録、から。
入れたいところで引用文献の挿入>新しい資料の追加、ジャーナルの記事 で追加挿入が可能。ただ、ぱっと見た感じ我々が慣れ親しんでいる形式ではない。
スタイルをIEEEにすると本文中では数字で記載してくれる。

文献(資料)の入力が結構面倒臭い。ただ、書き換えたり文献を追加したりしても、更新すれば数字を1から振り直して最後のRefferenceの順番も直してくれるので、併用はアリかもしれない。(ただこの更新ボタンの場所がわかりにくい)
全てを入力するのでは無く、自分で判別できる程度までの入力にとどめておいて活用するのがバランスが良いと思います。

Refference一覧の作成は 文献目録>目録の挿入 から。
挿入されたRefferenceはテーブル形式になっているので修正がちょっと面倒。実際投稿するデータにするにはただのテキストのスタイルにしないといけないので、テーブルまるごとコピーしてテキストのみ貼り付けにするのが良さそう。
ちまちまと手間があるので、最初から頼るというよりは、自分で何回か論文を書いてみたけど途中で文献の番号が迷子になる人向けの印象です。

私が使うなら
  1. 資料は著者名と出版年、雑誌名、タイトルの一部だけいれる
  2. 本文中に文献を入れて文献の通し番号を作る
  3. 文献目録を作成して通し番号順に資料を並べる
  4. Mendeleyと照らし合わせてMendeley側で文献を選んでコピー>Wordにペースト
でしょうか。(今度やってみよう)
 

Endnote

公式サイト:Endnote
言わずもがな、な文献整理ソフト。
実のところ使ったことがないので、どうかと言われると難しいのですが、使っている人を見る感じ、おそらくEndnoteをWordと連携させるのが一番やりやすいはず、です。
ただ、まあまあな値段がする。
Time is Moneyな人向けだし、買うならそれなりに論文を書かなきゃと言う気になる。
形から入るという意味ではいいかも。


いつも通り偏った紹介ですね。
他にもおすすめのソフトなどがあれば教えてください。