医師になって「なんでこんな仕事が！」と思うことの一つが学会発表。

最初のうちはスライドを作るのも一苦労ですよね。
でも、見やすい・分かりやすいスライドには決まりがあります。
「型」を覚えてサクッとスライドを作りましょう。
WindowsのPowerPointで解説していきます。




スライドのデザインをつくる

スライドマスターを使いこなす

前回頑張って作ったスライド、今回も参考にしたいなあと思っている皆さん。
毎回見た目をきれいにするのに時間を費やしている皆さん。スライドマスター使っていますか？
鉄板なスライドはぜひテンプレート化して使い回しましょう。
まずはデザインを作成。表示＞スライドマスターで変えるとスライド全体のデザインを変えられます。


基本的には、スライドマスターの一番最初のページ「マスター」をいじります。こうすることで、レイアウト全てにデザインが適応されます。
タイトルスライドやセクション見出しだけ変えたい、という場合には、個別にそれぞれのレイアウトで変更します。
一度作ったデザインは、　デザイン＞テーマ＞現在のテーマを保存　で保存しておけば次回以降すぐに使えます。
呼び出しは　デザイン＞テーマ＞テーマの参照　で保存したテーマを適応することができます。

スライドのサイズを確認

まずはスライドのサイズを確認。学会のサイトや採択のお知らせメール等に載っているので必ずチェックしましょう。
以前は4:3が基本でしたが、最近は16:9が増えましたね。
文字だけならともかく、図や表は見やすさが変わるので後で変えるのは大変です。最初に確認しましょう。
変更は　デザイン＞ユーザー設定＞スライドのサイズ　からです。

フォントについて

スライドマスターのフォントから変更してください。そうしないとスライド全てに変更が適応されません。
スライドマスター＞背景＞フォント＞フォントのカスタマイズ　か、もしくは「マスター」ページのタイトルボックス、本文ボックスを選んで　ホーム＞フォント（詳細設定）　で変更しましょう。詳細からなら日本語と英数字、それぞれ同時に指定できます。
タイトルで色を変えたり太字にしたりする場合は、「マスター」ページのタイトルボックス（マスタータイトルの書式設定の文字）を変更しましょう。それより下のページで変更しても、他のレイアウトに適応されません。
フォントの選び方ですが、学会によっては指定されています。Windowsに標準搭載されているフォントであることが多いので、Macを愛用している方はご注意ください。

明朝体

活版印刷で生まれたフォント

・新聞など細かい文字がびっしり印刷されても読みやすいように設計

・印刷物に向いている

ゴシック体

太い線で書かれ視認性が高い
・遠くからでも認識しやすい
・スライド向き




個人的には日本語はゴシックが圧倒的に見やすいのでおすすめです。遊ゴシックはちょっと細くて見にくいかな、と思ってしまうので、メイリオを使うことが多いです。
日本語、英数字全てメイリオか、日本語メイリオ＋英数字Arial or Calibriが最近のお気に入り。
MSゴシックでも問題ありませんが、スタイリッシュさに欠けるのが難点。ちょっと生真面目な、役所っぽい感じですね。
指定外のフォントを使った場合、文字化けや表示できないなどのトラブルによりレイアウトが崩れる可能性があるので注意。
また、スライドの中でフォントが変わると見栄え悪いので必ず統一しましょう。
サイズは20pt未満だと小さくて見にくいのでできるだけ20pt以上を推奨します。
（オンデマンドなど画面でみるときより、大会場で映写されるときの方が見づらくなります。）

配色について

参考になるサイト：https://nulljapan.jp/slide-color/
使う色は、メインの1色（メインカラー）を決めて、それに近い色や明度・彩度・濃度を変えて使用し、いわゆる「捕色」を目立たせたいところ（アクセントカラー）に使うのがシンプルかつ見やすくなります。

スライドの背景を濃色(黒や紺)にするか、明色(白など明るい色)にするかは、正直好みでいいと思います。
昔に比べて映写機がきれいに写るので、白背景でもはっきり見えます。
ただ、暗い会場だとめちゃくちゃ明るい光が目に痛そうなので、上級演題などでは黒背景が好きです。
明るい会場だったり、大型モニターに映し出される場合には明色背景の方が自然です。

モニターの場合は、原色（特に緑やピンクなど蛍光系）は目が疲れるので少しくすませた方が良いと思います。
逆に、映写機の場合だと紺や黒背景に赤字はめちゃくちゃ目立たなくなるので黄色あたりが無難です。
学会によってはテンプレートそのものを配布しているところもあるので、指定がある場合にはそれに従いましょう。

その他

行数はできれば15行以下にしましょう。文字だらけだと目が滑ります。年寄りには辛いです。
行間も上手く使いましょう。段落と段落の間や、内容が異なる文章は少しスペースを空けると視覚的にまとまりができて分かりやすくなります。
このとき、改行ではなく、ホーム＞段落（詳細設定）＞インデントと行間隔＞間隔　をptやmm、行数で指定できるので活用しましょう。

また、最近の映写機では問題ないと思いますが、一昔前にはスライドの端が上手く映らないというトラブルがありました。
機種によっては、信号が無いと判断するのか、最初のスライドの「白？でない範囲」をスライドの範囲と認識してしまうことがあるようで、中心だけ拡大して端が切れてしまうということです。
この場合には、上下の端に文字を入れるか、色の付いたラインを入れておくと事故らずに済みます。
特にタイトルスライドは要注意です。
いずれにしても、スライドの端ギリギリは見にくいので、文章や図表をギリギリまで載せることは控えた方が良さそうです。

次回、グラフ、表の見せ方など内容編！（予定）
お楽しみに！