論文作成の便利ツール
医学部を卒業し、国家試験も通って晴れて医師となったあなたに、臨床医としてのスキルを磨くとともにどうしても避けて通れないのが論文作成。今回は、論文作成に私が活用しているツールの一部をご紹介します。
「臨床医なのだから、目の前の患者さんが助けられば十分じゃないか!」という声も聞こえてきそうですが、実際論文を書いた、という実績がないと専門医を取得できないことも多いです(各学会の専門医申請規程をご確認ください)。
なにも、NEJMやらNatureやらBJSやら、超一流雑誌に載るような基礎研究とか大規模RCTをやれ、という話ではなく、目の前にいる患者さんを診察、経験したことが、もしかしたら希少疾患だったり、新しいことだったり、そういった経験を他の医師とも共有できるようにして、みんなで医学を発展させていこう、というためのものです。そのために「症例報告」があるのです。
最初は大変ですが、慣れれば簡単らしいので、ぜひ挑戦してみましょう。
ちなみに私はまだ慣れるところまで到達できていません。。。毎回生みの苦しみ。。。
細かい書き方はまた今度にすることとして、私がお世話になっているツールをご紹介。
1.Evernote
普段のメモ帳としても大活躍。クラウドに保存されているので、自宅のPC、職場や出張先でのノートPCやタブレットから簡単に記載ができます。
ここでは二つの使い方をしています。
- 書く予定の論文のネタや疑問点、論点などを箇条書きにして整理する
- 論文特有の言い回しをストックしておく
どういう流れにしようかなー、と考えながら、散文的に書くことに使っています。思考のプロセスを残しておくことで、例えば話の流れで書かなかった論点が出てくることもあると思いますが、他の論文や研究のネタになったり参考になったりします。ここである程度の流れを作って、後で紹介する文書ソフトで文章を作っています。
また、英語で論文を書く際には、他の論文を読んでいて「この言い回しいいなぁ」とか、「この表現よくみるよね」みたいなのをメモしてストックしておき、実際に自分で書く時の参考にしています。
基本無料でそれなりに使えます。私は使う頻度が高いのと、診療で使う虎の巻的なメモもすべて入れてあるのでベーシックプランにしています。
簡単に検索できるのが電子メモのいいところですね。
2.Endnote
有名な文献管理ツール。ソフトウェア版もありまますが、私は無料のネット版を使っています。
論文を作成する上で、参考文献を集めるのは必須です。chromeなどのブラウザへのアドオンツールもあり、これを使うとPubmedなどで文献を検索した際に、文献のデータを取り込むことができます。これが、参考文献のリストを作る時に大活躍します。また、Wordにも組み込めるので、リストをWordに記載することもできます。
参考文献が数個であれば、頑張って都度記載もできますが、10とか20とかになってくると、間違えないか不安になってきます。Endnoteでは、スタイルを合わせて記載できるので便利です。
もっと便利な使い方もあるようですが、まだそこまで使いこなせていません。
3.Microsoft Word
言わずもがな、ですね。実をいうとJust system派だったのですが、周囲とのデータのやり取りにはちょっと辛いので論文作成のメインはこっちです。印刷物には一太郎好きなんですが。
シェアが高いため、上述のように他のツールとの連携がいいこと、また多くのジャーナルで.doc(x)ファイルを指定していることが一番の要因です。
また、下書きを書いたり、上級医に添削してもらったりするにも、添削モードで以前の文書を残しておくことができるので、最終調整の際に言い回しをいじったり、前後との文脈を合わせるのにも役立ちます。消してしまった文章が、どこかで使えるかもしれないので。
以上、長くなりましたが、まずは外せない3点をご紹介。
また少しずつご紹介していきます。
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